鉱物の不毛地帯!?かつての大銅鉱山は今①

地質

浜松市を含む遠州地区は鉱物不毛地帯です。ただ、鉱山が無かった訳ではありません。

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静岡県西部の地質

愛知県の東部=東三河から奥三河と言えば、有名産地や鉱山がズラッと並んでいます。が、県境を跨ぎ静岡県に入ると全然ぱっとしなくなります。というのも県境に沿うように中央構造線が走り高温低圧を特徴とする領家帯(元々は静岡県の領家と言う地名だが)は佐久間近辺を除き静岡県西部にはほぼ無い。

また領家帯とは中央構造線を挟んで存在する低温高圧を特徴とする三波川変成帯も愛知県新城市と静岡県浜松市の境界から佐久間を抜けてにかけて存在する。静岡県側の有名な鉱山と言えば久根鉱山と峰之沢鉱山(いずれも銅鉱山)があるくらい。

鉱物好きとしてはコレは絶望的状況である。しかし久根鉱山や峰之沢鉱山も訪れてみたい産地であったので行って参りました。なお、訪問期間が2021年に何度かに分けて行っていますので、写真の季節感はバラバラです。

浜松のチベット?北遠へ

浜松と言えば浜松駅周辺の高層ビルからスズキに代表される工業地域と浜名湖湖岸の自然公園、はたまた鰻や餃子と言った名物が有る地方都市という事はご存知かと思います。しかし浜松駅と市街地はその玄関口に過ぎず、浜松市の北部、北遠=天竜区と呼ばれる広大な地域が広がっています。

天竜区は面積が944k㎡となっており、愛知県の巨大市である豊田市より広い面積に、わずか2.7万人の住民が住んでいるという、まさに秘境である。

今回はそんな北遠地域の鉱山跡を訪ねる訳です。使うルートは新東名浜松浜北ICから国道152号線を北上するルートです。

現在の北遠は天竜区となっており政令指定都市の一部となっています。天竜区には天竜浜名湖鉄道(天浜線)とJR飯田線、遠州鉄道線の3路線が走っていますが、天浜線は遠州と美濃を結ぶ二俣線(掛川と天竜二俣)と東海道線の迂回路線(新所原と天竜二俣)の合作です。

途中の立ち寄りポイント①(廃線跡)

実は、二俣線以外にも佐久間線と呼ばれる未成線がある。佐久間線は旅客輸送と木材(天竜杉)などの運び出し、銅山の銅鉱石を目的として1967年に着工、しかし国鉄の解体とともに計画は中止となった。ちなみに光明電気鉄道という異端児?もかかわる話であるが割愛!

とは言え着工して完成した橋梁やトンネルは現在も残されており、道の駅天竜相津花桃の里の近くには未完成の橋梁を使った夢のかけ橋というサイクリングロードや、トンネル跡を用いた浜松ワインセラーという施設がある。

夢のかけ橋
未成線の佐久間線を感じる看板

これらがきちんと開通していたとしても、銅山は1970年には全て閉山、1963年から始まった木材の輸入自由化に伴う国産木材の低迷もあり貨物は絶望的になる。元々沿線人口や交流人口も少ない地域なので、昭和初期に開通をしていればチャンスもあったであろうが、1980年の開通では早々に廃止/第3セクター化をしていたと思う。

電車だけに鉱物の話から脱線?一旦切ります。

続き→鉱物の不毛地帯!?かつての大銅山は今②

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