南信州へ!棚ぼたで見つけたルビー色のガーネット

地質

ある日の午後、友人からの電話が鳴りました。「浜松の秘境駅の小和田駅に行こう!」との事。秘境駅には興味は無いが、周辺の地質には大いに興味があるので二つ返事でOKをした。

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小和田駅は行けなかった・・・

小和田駅は浜松市天竜区の山あいに有り、急峻な山と天竜川の佐久間ダムに挟まれており、車では行けない。そこで、浜松市天竜区佐久間の中部天竜駅まで車で向かい、その後、電車で移動の予定であったが、乗る予定であった電車の時間に5分遅れるという大失態!

次の電車は2時間後との事で、諦めて帰るor浜松観光or南信州へ行くの3択となった。まぁ、南信州の旅が良いだろうとまとまり、移動をする事になった。

南信州へ!越すに越されぬ兵越峠

佐久間から南信州へは国道152号線を北上するのが最短であり、Googleマップを見ても一見繋がっているようであるが、実際は浜松(遠江国)と飯田(信濃国)の間には青崩峠という難所がある。青崩峠には、だいぶ昔に行った事があるが、浜松側には小さな林道が、飯田側にはただの登山道となっており、国道は繋がっていない。

それもそのはず、名前のようにあちらこちらが崩れており、青っぽい蛇紋岩が谷に向かって雪崩れていた。これでは国道を通すのは難しく、実際に国道152号線は青崩峠峠の手前で右に反れて途切れており、林道を通る事で青崩峠の横の兵越峠を通って信州に入る事が出来る。青崩峠周辺は中央構造線の大断層帯であり、地質が複雑である。

写真は兵越峠である。兵越峠では昔から信濃国と遠江国が国境を巡り争っており、現在でも、お祭りとして国境を決める綱引き大会が行われている。負けると1メートルだけ領土が減るらしい。しかし、兵越峠の頂上に静岡県 浜松市 天竜区という看板がなければ、ここが政令指定都市の一部とは気付かないほどの大自然が広がっている。よく、名古屋市守山区志段味が名古屋のチベットと言われるが、これはそれ以上どころではない!

兵越峠の標識
兵越峠の由来が 分かる

世紀の難工事、三遠南信道路の青崩峠越え

実は現在、浜松から飯田へ抜ける高規格道路の建設が行われている。その名も三遠南信道路、三河の三、遠州の遠、南信州の南信を合わせた名前である。

東三河の豊橋、遠州の浜松、南信州の飯田は三遠南信地域として一体化を目指しているらしく、三遠南信地域には自動車工業(トヨタ、スズキ、ホンダ)、自動車部品(デンソー、アイシン、アスモ)の大手企業の工場や本社から、光産業(浜松ホトニクス、愛知ニコン、トヨテック、夏目光学)などのある分野でトップクラスの製造拠点が集約されている。

もし、三遠南信道路が全通したら、強力な地域経済圏となるのであろうか?しかし、三遠南信道路は部分開通に留まっており、全通の予定もない。これは、いくら大企業群があると言えど、やはり大都市間の高速道路のような需要はなく経済的に疑問符な為である。しかし、不通となっている国道152号線の代わりとして三遠南信道路が部分的にも開通すれば、浜松の水窪や奥三河の東栄、飯田の遠山のような過疎化が進む地域の利便性が向上し防災の観点からも望ましい。

現在、青崩峠を越える三遠南信道路の工事が行われており、浜松側では建設が止まっていた橋脚の工事が進んでいた。また飯田側でも小嵐川沿いに道路工事が続いている。また、青崩峠下を掘るトンネル工事も進んでおり、調査坑道はほぼ開通しているらしい。

先の青崩峠の紹介の際に書いたように、青崩峠近辺は崩れ易い蛇紋岩や、中央構造線の破砕帯などの複雑な地層が広がっている。その青崩峠の下にトンネルを通すのは難工事に次ぐ難工事であろう。開通したら走ってみたいものだ。

長々書いてしまったので、一旦区切ります。皆様の本命のガーネットは次の記事で!

次の記事はこちら→南信州へ!棚ぼたで見つけたルビー色のガーネット②

関連記事①→泰阜村幕岩のガーネット

関連記事②→蒲郡へ!ガーネットと物作りの街を巡る

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