浜松ガーネット!北遠の鉱物産地の開拓④

地質

いよいよ今回の鉱物産地開拓の成果まとめ?中々バラエティ豊かです。

前回記事はこちら→浜松ガーネット!北遠の鉱物産地の開拓③

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金属鉱物

まずは金属鉱物類です。何の変哲もない鉱物がほとんどですが、熱水鉱脈(多分)はその存在が北遠では珍しいと思います。

黄鉄鉱(pyrite):錆が浮いたような石英に伴い薄い葉片状または結晶が見られます。黄鉄鉱は青崩峠を挟んで浜松側にも信州側にも見られ、信州側は谷筋に露頭が見られます。ただ、浜松側は熱水鉱床を思わせる物が、信州側は体積岩に含まれる鉄が熱変性を受けたような感じで異なる見た目です。大きな結晶は皆無です。

黄鉄鉱を伴う石英

黄銅鉱(chalcopyrite):黄鉄鉱よりも少ないですが、石英の空隙に結晶を伴い存在します。黄鉄鉱を含む石英がガサガサとしているのに対し、黄銅鉱等を伴う石英は緻密で硬く、より強い熱変性を感じさせます。また、今回持ち帰った標本では黄銅鉱に伴い繊維質のような銀黒色の鉱物が伴います。輝安鉱とかかと考えていますが期待が先行?未分析です。

黄銅鉱を伴う石英、黒い繊維質?の部分は輝安鉱かな?

石墨(graphite):黒くすべすべして薄く剥がれる石が時々あります。恐らく石墨片岩と思います。指で擦ると指先が黒く汚れます。

石墨片岩

方鉛鉱(galena):先の黄銅鉱を含む転石より回収、量は豊富では有りません。北遠の鉱山(峰の沢鉱山など)でも方鉛鉱が有ったと聞きますが、きちんとした標本は見つけて居なかった。北遠では珍しい?ので良かった。周りの粘土状の部分、金鉱石なら嬉しいな~とこちらも期待が先行…。

転石に見られた方鉛鉱の脈

ペグマタイトに含まれる鉱物

いよいよ?あまり種類は豊富で無いですし、水晶などの鉱物は皆無ですが、結晶鉱物もいくつか見られます。

鉄電気石(schorl):長石を主とするペグマタイトに伴い存在します。大きくても5ミリ前後、上手く割ると結晶面も見られます。鉄電気石も青崩峠を挟んで浜松側にも信州側にも存在します。

鉄礬柘榴石(almandine):こちらも長石や石英に伴い産出します。結晶は小さな物から大きな物まで様々です。先の鉄電気石の画像にも5ミリ程度の物が見られますが、ヒビだらけです。しかしじっくり時間を掛けて探すと良いものも見つかります。透明感も結晶面もしっかり出ています。

やっと見つけた鉄礬柘榴石の美晶

これにて浜松ガーネットも完結!鉱物は不毛と言われる地域ですが、じっくり探す事は大事です。大きな結晶は期待が薄いですが、粘る事が大事?

心残り?この地域は前に紹介した小嵐川とも近く同じ地層ですが、浜松側では紅柱石は立派な物は皆無、時々小さい芥子粒がある程度でした。青崩峠を越えたすぐの信州側では見つけていますので、浜松側でも見つけたい!あとはサファイアとか見つかると嬉しいな。」

今回はこの辺でお開きにします。

コメント

  1. bandlover より:

    地道な活動ですが 豊富な知識は 長年の経験と学習の結果だと思います

    いろいろ学びになります

  2. まつきよ より:

    2023年4月初め青崩峠下山途中に声を掛けました夫婦です。
    2018年8月に静岡県牧之原市相良、塩の道起点をスタートし、遂にというかやっと青崩峠に辿り着くことができました。
    秋葉神社を過ぎてからの山中は沢を渡る橋は崩れ落ちて、道なき道を進んできましたが、お話しできてまた街道歩きへの意欲が湧いてきました。
    御前崎市には「星の糞遺跡」があり、発掘された黒曜石の矢じりは遠く長野県から運ばれてきたものと言われています。また、牧之原市西荻間には子生まれ石、掛川市には夜泣き石等、石にまつわる遺跡も多くあります。なのでブログもこれから楽しみに見せて下さい。

    • gifunoz3 より:

      まつきよさん

      こんにちは、返答遅れて申し訳ありません。
      コメントありがとうございます。
      塩の道、秋葉街道は今でこそ見る影も無いですが昔は人がたくさん行来したのでしょうね。
      周辺にも何箇所も地質学的に面白いところがたくさんあるので、何か疑問が湧いたら遠慮なく質問して下さいね。

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