Twitterやメッセージ欄で鉱物採集の産地の見つけ方を聞かれましたので、古典的では有りますが、幾パターンか紹介をします。
↓公式Twitterはこちら↓
Follow @gifunoz3地質図を見る
産総研(産業技術総合研究所)に地質図ナビというページがあり、日本国内の大まかな地質分野が示されています。どこに何の石があるかは、産地開拓の目安になります。例えば単調な堆積岩地帯に火成岩由来の鉱物は有りません。
リンク:地質図ナビ(産総研サイトに飛びます)
地質図ナビで中津川の苗木周辺の地質を調べたのが以下の写真です。画面左上のiマークを押してから、カーソルの虫メガネ印を調べたいところに合わせると、その場所の地質が表示されます。この場合は、火成岩で形成年代は中生代、岩石は花崗岩です。非常に雑な言い方をすると、同じ表示がされる場所には同じ鉱物が産出する可能性が有ります。
出典:産総研地質調査総合センターウェブサイト URL:https://gbank.gsj.jp/geonavi/#top
注 上記のサイトより一部を引用して利用、地質背景図に国土地理院地形図の一部を引用
国土地理院地図を見る
最近は少なくなりましたが、大規模な鉱山は国土地理院地形図に鉱山や坑道口が書かれています。また、崖やガレ場も記載をされており、崖などに目星をつけて探索をする際に役立ちます。
リンク:国土地理院地形図サイト
下記は福井県の中竜鉱山の例です。中竜鉱山跡という表記と共に坑道口が廃坑として示されています。古い国土地理院地形図を手に入れれば、今の地形図には書かれていない鉱山を見つける事も可能です。
注 国土地理院地形図サイト(URL:https://maps.gsi.go.jp/)より、国土地理院地形図の中竜鉱山/大納の一部を引用
鉱物採集ガイドの利用
特に初心者にオススメなのがガイド本の活用です!私も鉱物採集フィールドガイド(草下英明 著)や東海鉱物採集ガイドブック(名古屋鉱物同好会)、鉱物採集の旅⑤東海地方を訪ねて(加藤昭 著)にはお世話になりました。いずれも絶版となっており、Amazonではなぜかプレミアがついている。
現在でもAmazonで購入可能な新品のガイドブックはこちらです。
大人のフィールド図鑑
大人のフィールド図鑑 自分で探せる 美しい石 図鑑&採集ガイド鉱物ウォーキングガイド
鉱物ウォーキングガイド 全国版 北海道から九州まで厳選の24地点また、中古本で有れば先に紹介をした本もAmazonで購入可能。ただし、情報が古く既に消滅した産地や採集禁止の産地もあるので注意は必要です。
鉱物採集フィールドガイド
鉱物採集フィールド・ガイド東海鉱物採集ガイドブック
東海鉱物採集ガイドブック (Guidebook of Shichiken)ネットの情報を探す
このブログのように鉱物産地を紹介しているサイトはいくつか有ります。鉱物産地 とか 鉱物採集 で調べるとヒットすると思います。ガイドブックに書かれた産地の現在の状況も確認できます。リンクの許可を頂けたブログを紹介してきますね!
masanoribabyのブログ:愛知県を中心に様々な鉱物産地を紹介しています。2017年からの採集記録ですので、産地の変容も分かり易いです!URL:https://ameblo.jp/masanoribaby/
※相互リンクを頂ける鉱物ブログの管理者様は、コメントなど下さればと思います。
ここまでが、情報の収集にかかわることです。
以上のように、ガイドブックや地図を頼りに目星をつけた産地や地点に出掛け、ひたすら探してみる事が大切です。歩く拾う割るの繰り返しです。よく鉱物に出会えるポイントは以下です。
鉱山や採石場
やはり鉱山や採石場では鉱物に会える可能性が非常に高いです。ただ、鉱山跡は閉山をして時間が経っており、風化や消滅が心配されます。また、現役の鉱山や採石場は私有地の為、立ち入るには許可が必要です。鉱山跡の場合でも管理者や市町村に相談をする事をオススメします。
鉱山跡と採石場での採集例です。福井県の面谷鉱山跡の蛍石と金生山の石灰岩採石場の方解石です。
工事現場
砂防ダムや道路の拡張に伴う工事では山肌などを切り崩しており、思わぬ掘り出し物に出会える事があります。特に有名な産地の近くでは同じ鉱脈や地層が続いており、同じような鉱物が新鮮なまま採集できます。
もちろん、工事現場に立ち入り禁止とあれば立ち入らない、工事直後で立ち入り禁止などになっていない場合でも怪我や事故に気をつけて下さい。
写真は水晶で有名な白鳥山の近くの砂防ダム工事後に砂防ダム脇に転がっていた水晶の群晶です。0.5~1センチくらいの結晶が大量に付いています。
川や谷筋、海岸の岩場
最も地道な作業かもしれませんが、山道などを歩きながら谷に転がる転石を観察して採集をするスタイルです。まさに歩く拾う割るを繰り返します。
特に川や谷は、道路に面するところの転石で鉱物の結晶や石英の塊の見られる場合、鉱物の結晶を含む露頭や石英脈に伴う水晶が上流に存在する可能性が高いです。
写真のガーネットは林道脇に転がる転石をヒントに谷筋を登り見つけました。
鉱物採集のマナー
これは書くか迷いましたが、念の為書きます。鉱物採集に限らず、様々な趣味が社会問題になる時代になってしまいました。
立ち入り禁止の場所には入らない、立ち入りが許可された場合にも事故や怪我に注意をする。必要以上に採集せず産地を荒らさない。ゴミを捨てない。などマナーとルールが必要です。また、場所によっては条例や法律に触れる場合もありますので調べておいて、申請等をしてから採集をしましょう。
自分も気を付けたいものです。
コメント