いよいよ長野県側へ!兵越峠を越えて南信州に入っても、1キロくらいは林道を走るが、やがて細い152号線に入り、しばらく進むと片道1車線の立派な道になる。その152号線の橋が小嵐川を渡る付近、小嵐川と梶谷川が合流する付近が本日の目的地である。
前回の記事はこちら→南信州へ!棚ぼたで見つけたルビー色のガーネット
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実はチョウの聖地?小嵐川の河原
小嵐川の岸に車を停めると先客のような2人がいた。しかし、いきなり鉱物採集ですか?と声をかけるのも変なので、釣りですか?と当たり障りなく聞いてみた。すると、「チョウの観察です。」と予想外の返答が!
何でもベニモンカラスシジミという珍しいチョウが生息しているらしく、その観察を終えたところらしい。逆にこちらは何をしに来たのか聞かれ、鉱物採集ですと言うと色々話して頂けた。
先方の1人は栃木県の出身で、閉山直後の足尾銅山に行った事があるらしく、立派な黄銅鉱と水晶の群晶が転がっていたらしい。また、福井県の面谷(オモダニ)鉱山や中竜鉱山にもチョウの観察で通った事があるとか。面谷は大学時代に何度か鉱物採集で行った事がある。思わぬところで懐かしい鉱山の話が聞けて嬉しくなった。今はどうなっているのであろうか?
その後も鉱物採集をしている間に、虫取網を持った人が何人も来ていた。有名なチョウの生息地のようなので、周辺の雑木林は立ち入らぬように注意し、河原での鉱物採集を行った。
小嵐川の紅柱石
橋の付近には青崩峠方面から、小嵐川を流れて来た石が転がっており、どうやら、その岩の中に紅柱石が含まれるらしい。
河原に腰掛け、お昼ご飯をパクつきながら、足元転石に目をやると・・・いきなり有りますね、紅柱石!しかも意外と立派!太さも1センチ以上はあろうか?
昔、愛知県の額田町で紅柱石の観察をした事があるが、それより色もきれいで太さもある。母岩は黒雲母片岩のようで、ペラペラと剥がれる片理が著しい。その黒雲母片岩に貫入するように含まれる石英層に紅柱石が入っているように感じた。
ルビー色のガーネットへのプロローグ
紅柱石を探して河原を歩いていると、何やら赤い斑点がある花崗岩がちらほら。よーく見てみると、これは鉄バン柘榴石ではないだろうか?また、黒い柱状の電気石も含まれている。どちらも雲母片岩と接した花崗岩層に含まれる傾向に有りそう。
初期に見つけた柘榴石(ガーネット)を含む花崗岩の断面。明確な赤色ではなく褐色で、一部に雲母化が見られる事から質は悪い。
結局、この近辺ではきれいなガーネットは見つからず、調査をここまでとした。
やはりこの近辺は地質が変化に富んでおり、様々な鉱物が見られる。もう少し移動しつつ石を見てみよう。
次の記事へ続く!いよいよルビー色のガーネットを紹介します。
次の記事はこちら→南信州へ!棚ぼたで見つけたルビーのガーネット③
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