金属資源を探す!矢坪鉱山の佐倉鉱床へ③

鉱物採集

ダム堤の中の堆積場で鉱物を探します。

前回記事はこちら→金属資源を探す!矢坪鉱山の佐倉鉱床へ②

スポンサーリンク

佐倉谷の地質

佐倉谷を含む、美濃から洞戸、板取の一帯は広く秩父古生層からなっています。多くは粘板岩や砂岩からなっていますが所々に石灰岩が含まれています。また、佐倉谷は上記の岩類に石英斑岩が貫入しており、石英斑岩と堆積岩の間で成分交換が行われ、接触変成帯が形成されています。

春日鉱山で紹介をしたように、接触変成帯では堆積岩のカルシウムやマグネシウムと火成岩のケイ素等が反応し、様々な鉱物が形成されます。

参考→地味だけど面白い!春日鉱山の鉱物

今回の矢坪鉱山を始め洞戸鉱山は接触変成帯中に金属資源が濃縮されており、それらの金属資源を目的に採掘されました。規模の大小は有りますが明治から昭和中期までの間に開発/生産がなされました

とある文献によると、矢坪鉱山の佐倉鉱床は、「粘板岩や珪岩に挟まれたレンズ状の石灰岩の一部または全部を交代し、(中略)、多量の灰鉄輝石、透輝石、柘榴石・・・等のスカルン鉱物および、石英、方解石、蛍石等の脈石を含む。」とあり、金属鉱物だけでなく様々な鉱物が期待出来そう!

砂防ダム内の鉱物

そんなこんなでズリでの採集に期待をしていたのですが、ズリはいまいち(もしかしたらズリではなかった?)でした。そこで、ダム堤内の転石から何か出ないか探索してみました。ダム堤の上に立つとこの迫力!意外と落差が有ります。

砂防ダム堤からの眺め

先の記事でも紹介したように、ダム堤内には赤黒い重たい塊が有りました。それをいくつか割ってみました。その結果・・・やはり当たりでした!写真は閃亜鉛鉱を含む塊。洞戸鉱山などここら辺の閃亜鉛鉱の標本らしく、キツネ色の柘榴石中に鉄リッチで黒光りする閃亜鉛鉱のギラギラ、美しいですね!

閃亜鉛鉱を含む転石

この閃亜鉛鉱、よーく見ると白いカサカサした部分を含んでいます。何でしょうかね?

長くなりましたので一旦切ります。次回は採集出来た鉱物と、先の白いカサカサの分析結果でも書きたいと思います。

次の記事はこちら→金属資源を探す!矢坪鉱山の佐倉鉱床へ④

コメント

  1. bandlover より:

    さすがですね

    いつものごとく 発見されています

    私は このような 石を見つけてないです

    続編の白いもの 期待します

    追伸

    別途メール参照いただければ

    • gifunoz3 より:

      コメントありがとうございます!メールも拝読しました。

      後程返事しますね(^_^ゞ

タイトルとURLをコピーしました