いよいよ最終章、今回の旅で採集をした鉱物をまとめます。
前の記事はこちら→南信州へ!棚ぼたで見つけたルビー色のガーネット③
関連記事①→泰阜村幕岩のガーネット
関連記事②→蒲郡へ!ガーネットと物作りの街を巡る
小嵐川周辺で採集した鉱物ま
紅柱石
まずは紅柱石、小嵐川の名物とでも言おうか?アルミナ質の岩石と花崗岩などが接する接触変成帯や花崗岩ペグマタイト中に産出する。アルミナリッチな岩石に産出する事から、紅柱石とともにコランダム(サファイアやルビーの総称)が伴うことも有るらしいが、果たして小嵐川でも有るのだろうか?ちなみに、接触変成帯に産出する紅柱石には、中に空洞を伴う空晶石構造が見られるが小嵐川には見られない。そのため、小嵐川の紅柱石はペグマタイトに産出するタイプと予想される。
小嵐川の紅柱石は太さも立派で色付も良いことから、標本として申し分ない。
和名:紅柱石
英名:Andaluste
組成:Al₂SiO₅
産出量:多産◎
鉄バン柘榴石
続いて鉄バン柘榴石、ガーネットである。鉄、アルミナ、ケイ素を主成分とする柘榴石である。しかし、鉄を置き換えるようにマンガンを含んでいる事もある。赤褐色や赤黒色が多いが、時に鮮紅色透明の物があり、今回の標本はまさにそうである。近隣には有名な鉄バン柘榴石の産地(例えば愛知県豊根村富山)がいくつかあるが、いずれも赤褐色やヒビが多い物が多い。
今回の標本に含まれる鉄バン柘榴石は色付や透明度は申し分ないが、いかんせん小さい。大きな標本を目指して通って見たい産出である。ただし、産出状況から鉄バン柘榴石と断定をしているが、詳細は成分分析を行いたい。
鉄電気石
こちらもペグマタイト鉱物としては一般的な物である。ホウ素を含む鉱物でで、ホウ素を含む鉱床に気成鉱物として生成される。
電気石には誘電分極の一種(と言っていいのか?)の焦電性があり、加熱などにより分極が発生し、静電気を帯びる。
今回の鉄電気石は結晶も小さいながらも、結晶面もはっきりしており、個人的にはお気に入りである。
以上の鉱物が今回採集できた。秘境駅に行く予定が鉱物採集となり正直期待はしていなかったが、思わぬ棚ぼたであった。
また、近々訪問をして追加報告をしたいと思います。
関連記事→泰阜村幕岩のガーネット
関連記事②→売木村へ!鉱物ドライブ
関連記事③→領家帯の旅!南信州のガーネットを巡る
また、鉱物の種類も増えてきたので、一覧で鉱物図鑑化も考えております。
参考文献
1、標準原色図鑑全集6 岩石鉱物 木下亀城、小川留太郎(保育社)
2、原色鉱石図鑑 木下亀城 (保育社)
コメント