浜松ガーネット!北遠の鉱物産地の開拓③

地質

さて砂防ダムへ降りてどのような鉱物が含まれるか探索をします。

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露頭の探索

足神神社の下側の砂防ダムに降りると、反対斜面の崖・露頭が目を引きます。砂防ダムの中の川を渡り下から見上げるとかなりの高さがあります。露頭の岩はやや片理があり、片理に合わせてタガネを当てると綺麗にはがれます。産総研の地質図では泥質片麻岩起源マイロナイトや泥質片岩、下伊那の地質解説(1976)の付録の地質図ではホルンフェルスとなっている。熱変成作用が大きければ紅柱石や柘榴石が期待できるのであるが、この産地の岩は割ってみても母岩を形成する雲母や長石の結晶は非常に細かく、極稀にサイズの大きな緑泥石(と肉眼/状況判定しているがクロム雲母かも)が含まれているのみで、低温で形成されたと予想される。

緑泥石またはクロム雲母

この砂防ダムの堆積場には露頭からの転石のみならず、上流から流れてきたであろう黒雲母片岩や石墨片岩なども含まれており、多種多様な岩を見ることができる。それらを片理に沿って割ってみると自然石の贅沢な石畳みができるが、リュックに詰めて持って帰り庭の一部に敷いてみたが中々味がある。

片岩で作る石畳!中々美しい

砂防ダムの転石

露頭の観察を終えて堆積場内の転石をじっくり観察をしてみましたが、かなり大量の石がありますので目移りをします。砂防ダム内を歩き回ってみたところ、いくつかの面白い岩を見つけることができました。

まずは、領家帯らしい転石。鉄電気石が含まれた白くてガサガサした石英または長石のペグマタイト状の転石です。割ってみると中に数ミリから数センチの細い鉄電気石が含まれています。結晶面は明確ではない物が多いですが、ごく稀に結晶面がきちんとでた標本も得られました。鉄電気石が含まれる石には柘榴石が伴う事もあります。多くは1ミリ程度ですが透明感があり結晶面がシャープな鉄礬柘榴石です。これら鉄電気石や柘榴石を伴う石はたくさん落ちており、ここが領家帯であることを感じさせます。

電気石を伴うペグマタイト、砂防ダムに点在

続いてごく稀に転石に交じっているのが、赤錆の浮いた石英です。見た目は錆色であり、綺麗ではありませんが、割ると中から金属鉱物が出てきます。大きな結晶はでてきませんが、黄鉄鉱や黄銅鉱など様々な金属鉱物の微結晶・脈状・皮膜状で得られます。この金属鉱物を含む石英は熱水鉱脈と思われます。下流から上流まで砂防ダム内に含まれていることから、この水窪川の源流部に必ず熱水鉱脈の露頭があると思う。まだ見つけられていないので下草の少ない5月くらいまでに探索をしたいですが、行けるかな。写真は鉱石の塊です。

熱水鉱床の存在を思わせる、黄鉄鉱や黄銅鉱を含む石英

さて、上記のように露頭や転石からの鉱物の産状が得られました。次の章では確認できた鉱物を紹介します。

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