岐阜のじーさんです。2026年、今年も宜しくお願い致します。
プロローグ 祝2026年
皆様、久しぶりでございます。日々忙しくブログの更新をサボっていたら3年くらい更新が止まっていました···。年末年始に会うたくさんの方々に「ブログ更新しないの??」と言われましたので久しぶりに書こうと思います。ただ···何事も厳しい世の中ですし産地の詳しい位置はぼかして書きます。ご了承ください。
あくまでも私の採集記録としてお楽しみください。もしリアルの知り合いでこの産地に興味のある人は個人的にご連絡をください。
最近のトレンドは金属鉱物が多めです。···水晶やガーネットにはご縁がないだけか?
熱水鉱脈と安山岩岩脈
本題?に入る前に東三河から奥三河に点在する熱水鉱脈について、その成因を少しだけ考えます。
東三河から奥三河にかけては、今回ご紹介する設楽金山以外にもたくさんの金鉱山や熱水鉱脈が知られています。有名どころでは、津具金山、粟代鉱山、古戸金山、七久保金山等の名前が挙がるが、ここからがややこしい事で
津具金山 = 設楽金山、大桑鉱山
粟代鉱山 = 稲目鉱山、振草鉱山
と文献や時代によって名前が変わる。なので今回ご紹介する設楽金山の情報を調べると平気な顔で津具金山の名前が出て来たり、全く違う情報がヒットしたりする訳である。と言う訳で今回ご紹介する鉱山は「津具金山じゃない設楽金山??」だと頭に置いて頂きたい。熱水鉱脈の鉱石票本を、写真は津具金山の紹介の際に写真を貼った金属鉱物の塊ですが、風化が進んで表面がバラバラになって来てしまったのである。ただ方鉛鉱は錆も出ずに輝きを保っています。
津具金山の記事はこちら→奥三河でゴールドラッシュ気分?津具金山の金属鉱物

さて余談?を語った所で東三河から奥三河の熱水鉱脈の成因について。地質図ナビで周辺の地質を調べると、広く凝灰岩や流紋岩が分布するエリアであるが、その凝灰岩や流紋岩を貫くように安山岩質の岩脈が見られる。この安山岩岩脈で有名な物は、鳳来湖にある障子岩岩脈であるが、他にも無数の無名岩脈が走っている。それらの岩脈のいくつかは凝灰岩や流紋岩を貫く際に地下深くから熱水を引き連れてくる。その熱水が地下の深くや周辺の岩から金属やその他のミネラルを溶かし込んで来ている。やがてその熱水が地表に近くなり冷却されたり、周囲の地下水と反応する事で金属等のミネラルが沈殿や晶出した物が熱水鉱脈となるイメージです。
イメージとしては下記のような感じ、地下深くから上がって来た安山岩岩脈に沿って熱水鉱脈が分布している。つまり理論上?は岩脈があれば鉱脈の存在を疑っても良い訳ですね。

このように熱水鉱脈は熱水が通った所のみに鉱物が出来るので、熱水が通れる隙間のサイズで鉱脈の太さが決まります。今回は安山岩岩脈に伴って熱水が走った場合を説明しましたが、一般的には断層がズレて出来た隙間を熱水が走る場合が多いらしく、断層は長い歴史の中で何度も動いて熱水の上がる隙間を形成するので、必然的に熱水鉱脈も太く成りやすいらしいです。(太いと言っても幅数メートルくらいらしいですが)岩脈の場合は繰り返し岩脈が動く事は無いと思うので一度熱水が上がり隙間が埋まると、当然ですが鉱脈の成長は止まるので、立派な鉱脈は形成され難いようです。
設楽金山とは
本題の設楽金山について、先ずは文献調査より実施。元々は鉱物採集ガイドにあった一節がヒントであり、「峠を越えたところに金を目的に短い間だけ採掘した鉱山あり、川の対岸にはまだ鉱脈が残っていると考えられる」たったこれだけの情報でした。調べを進めると、それはどうやら設楽金山と呼ばれていたらしく、名前の通り設楽町の町外れで第二時大戦前から戦時中の短い間だけ採掘された金鉱山であると分かった。しかし中小零細鉱山なので調べ進めても如何せん情報が少なかった。
そんな中で鉱山関係者の回顧録を含む書籍をみつけ、鉱脈は近くの道の拡幅工事中に見つかった事、設楽町の集落の外れにあった事がわかった。しかし如何せん小規模だったようで、坑道は二本、しかも岩脈に沿って掘り込んだだけの素掘りだけだった事等が分かった。その回顧録によると、拡幅工事で現れた鉱脈を津具金山の鉱山技師を呼んで調べたところ、輝安鉱中に微細な金を含んでいるアンチモン-金の鉱脈であると分かり開発を始めたらしい。しかしながら、鉱脈は直ぐに尽きて数年の採掘の後に休止状態になりそのまま終戦になったようである。(ここの部分はあとで少し補足をします)
一応?アンチモンと聞くとあまり耳馴染みが無い人も多いかもしれませんが、鉛と合金にした硬質鉛合金は、弾薬の材料、蓄電池の電極材、鉛管の添加材等、幅広い用途がある欠かせない金属資源である。当時は戦争色が色濃い時勢と相まって、設楽金山はアンチモンような戦争遂行に欠かせない資源を産する鉱山として国からの補助金?奨励金?も出ていたようである。
輝安鉱についてはコチラをご覧ください。
レアメタルとしてのアンチモン
少し脱線します···この記事を執筆している2026年現在、日中の対立激化でレアメタルの中国からの輸入に制限が掛かっています。そして深部探査船「ちきゅう」が南鳥島沖のレアメタルを含む深海泥の試掘?に行っています。
現在のアンチモン鉱石の生産量の約半分が中国、推定埋蔵量の約5分の1が中国です。そして日本のアンチモン(精製した三酸化アンチモン)の輸入相手国の実に8割が中国なんですね。
アンチモンは日本国内でも熱水鉱脈の輝安鉱としてありふれた鉱物ですので、せっかくなら国内でのアンチモン鉱山の開発とかもあると面白いのになと考えます。2011年比でアンチモン価格は7倍程度になってますし、国内資源の開発も採算に乗るのではないかと?※環境規制的には厳しいだろうけど
写真は津具金山から産出した輝安鉱の結晶(土肥金山にて)、国内資源が開発されればこんな素晴らしい標本に再び会える日も来るのかな?

最後は余談でした、一旦切ります。
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続きはコチラ→幻の金アンチモン鉱山 歴史に埋もれた設楽金山を探す旅②
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