訪問日 2019年5月20日
小学生の頃、鉱物採集を始めたばかりの頃、友人にズシリと重たくギラギラ輝く金属鉱物を見せて貰い、感動したものであった。その感動は大人になっても心の片隅に残っており、大学では金属材料学を専攻したのである。
津具金山へのアクセス
津具金山へのアクセスは非常に悪い。東三河の最大の街、豊橋からでも2時間は掛かる。そのため津具の市街地はゆったりとした時間が流れていて、のんびりした農村といった印象である。
新東名新城インターチェンジ
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国道275号線を設楽・恵那方面へ北上
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旧田口市街を抜けると設楽大橋東と言う信号があるので、県道10号線へ
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道なりに進むと津具に入る。最初の集落である西大桑の北側の山の斜面が鉱山跡である。添付のGoogleマップ画像を参照頂きたい。
近くは民家も多く、鉱山跡へのアクセス道は生活道でもあるので、気をつけて運転をして貰いたい。県道側から沢を登る事も可能であるが、所々に砂防ダムがある。
鉱物産地の様子
空古屋の集落を過ぎると舗装道路が途切れ未舗装の林道となる。100メートルも進むと右手に鉱山施設(選鉱所)の残骸が、左手に治山工事(砂防ダム建設)に使われていた広場が見える。この広場に車を停めると良い。
さて、ここから鉱物採集場所まで徒歩移動をするのである。林道をさらに先に進むと右手に大きな砂防ダムがあり、その砂防ダム上流の沢沿いにズリ(採石屑捨て場)がある。ただ、このズリは鉱物愛好家に長年調べ尽くされており、めぼしい物はあまり残っていない。
今回、目指す産地は実は車を停めた横の治山工事の跡、砂防ダムの中の沢の石である。実は治山工事中に津具金山を訪れた際に、治山工事で掘り返された土石の中から赤錆に覆われた金属鉱物を見つけたのである。治山工事の場所はズリを含む沢の下流であり、ズリから流れた鉱物が流れ着いているか、選鉱所で低品位とされた鉱石が捨てられた場所なのであろうか?
写真から分かるように、砂防ダムの前は枯沢となっており、この石の中から目的の鉱物を探す。両サイドの斜面は草が吹き付けられているが、工事中はこの斜面にも鉱石が散らばっていた。※現在は斜面を掘る事は厳禁
新砂防ダムの上はきれいに整備はされていないが、こちらにも金属鉱物を含む石が落ちている。むしろこちらの方が落ちている量はやや多い。恐らく、新砂防ダムより下流は治山工事で出た土砂も混ぜられている為、鉱石が希薄なのだと思われる。
鉱石の探し方
沢に転がっている石を闇雲に割っても鉱物は出て来ない。目印は赤錆が浮いて丸みを帯びており、手持つとズシリ重たい事である。ただ、沢には赤錆が浮いただけの岩もたくさん落ちており、最初は赤錆を帯びた石はとりあえず持ち上げて割るしかないかもしれない。鉱石の外観例と割った際の断面の写真を載せておく。
ズシリとした重みのある鉱石を割ると出てくる金属光沢のある鉱物をみると、ああ、鉱物採集をしているな、といった気持ちである。
また重みのある鉱石以外の普通の岩にも黄鉄鉱の結晶が含まれており、きれいな黄鉄鉱の結晶を探すのも中々よい。
長くなってしまったので一旦記事を切りたいと思います。次の記事では、採れた鉱物の種類やクリーニングについて詳しく書きたいと思う。
コメント
あれ~ 苦労して 現地の位置を調べていたのに
ここには、一番詳しく書かれていますね
1番抗まで上がってみるかとも思っていた場所
行ってもなさそうだと思っていたのに、こんなの見せられると行きたくなってしまいます
中竜では、こんなズリは見つけられなかった・・・人形抗近くに露頭はありましたが
よく探せば、黄鉄鉱の結晶があったかもしれません
矢坪での、大きな鉱石?(鉄錆の石)は割ってもきめ細かい良鉱?ばかりでした
もう一方の坑口の下のほうは、破片がやたらに落ちていたが、脈の感じが全くない割れ石ばかり
ここの探索どうしようかな と思案してしまいました
紹介ありがとうございます
コメントありがとうございます!
中竜鉱山は公害防止の為に、ズリ石を廃坑に埋め戻したと聞きます。その周辺ですと、面谷鉱山がオススメですよ。ただ普通車ですとやや道が大変ですが・・・そういえば、越美北線の終点駅そばに中竜鉱山の鉱石が展示されてましたが、今はどうなったのでしょうかね?
矢坪鉱山(岐阜)は亜鉛満礬柘榴石を目指して行った事がありますが、確かに金属鉱石が多かったですね。
津具は是非行かれて成果をお聞かせ下さい!